CANONICAL(5)                                         CANONICAL(5)


名前
       canonical - Postfix カノニカルテーブルの書式

書式
       postmap /etc/postfix/canonical

解説
       オ プションの canonical ファイルにはローカルおよび外部アド
       レスのアドレスマッピングを指定します。このマッ ピ ン グ は
       cleanup(8)  デーモンによって使われます。アドレスマッピング
       は再帰的です。

       ファイルは postmap(1) コマンドへの入力として使われ ま す。
       dbm または db 形式でインデックス化された結果はメールシステ
       ムが高速に検索するために使われます。これを更新しても変更が
       反 映 されるまでにしばらく時間がかかります。postfix reload
       コマンドを実行すると遅延がなくなります。

       canonical マッピングはメッセージヘッダアドレス (すな わ ち
       メッセージ内に現れるアドレス) とメッセージエンベロープアド
       レス (例えば SMTP プロトコルコマンドで使われるアドレス) の
       両 方に作用します。Sendmail の S3 ルールセットを考えてもよ
       いでしょう。

       典型的には、canonical テーブルをログイ ン 名 か ら  First-
       name.Lastname に置き換えるためや、古いメールシステムで作ら
       れたアドレスをきれいにするために使います。

       canonical マッピングと virtual domain サポートと混同しては
       い け ません。その目的のためには virtual(5) マップを使いま
       す。

       canonical マッピングとローカルエイリアスを混同してはいけま
       せん。その目的のためには aliases(5)マップを使います。

       canonical テーブルの書式は次の通りです。マッピングはこのマ
       ニュアルページに挙げられた順序で試行されます:

       空白とコメント
              空行や `#' で始まる行は無視されます。

       user@domain address
              user@domainaddress で置き換えられます。この形式
              は最高の優先度を持ちます。

              こ の形式は古いメールシステムで作られたアドレスを整
              理するのに便利です。また、Firstname.Lastname 形式の
              ア ドレスを作るのに使うこともできますが、更に簡単な
              解決法は下を見て下さい。

       user address
              site が $myorigin と等しいか、$mydestination または
              $inet_interfaces  に 挙げられていると、user@siteaddress で置き換えられます。
              この形式はログイン名を Firstname.Lastname で置き 換
              えるのに便利です。

       @domain address
              domain  内の全てのアドレスは address で置き換えられ
              ます。これは最も低い優先度です。

       上の全ての形式は、address が @otherdomain の形式のとき、結
       果は otherdomain の同じユーザになります。

拡張アドレス
       テーブルの検索に失敗し、受信者のローカル部分にオプションの
       区切り文字  (デ リ ミ タ)  を 含 ん で い る と  (つ ま り
       user+foo@domain)、 検 索 は 拡張していないアドレス (つまり
       user@domain) に置き換えられ、マッチしなかった拡張部分は 検
       索 テ ー ブ ル の 結 果 に 加 え られます。マッチする順序:
       user+foo@domain, user@domain, user+foo, user, and @domain.


バグ
       テーブルフォーマットは慣例的な引用符を理解しません。

設定パラメータ
       以 下の main.cf パラメータは特にこのトピックに関連がありま
       す。文法の詳細やデフォルト値は Postfix main.cf ファイル を
       参 照 して下さい。設定の変更後は postfix reload コマンドを
       使ってください。

       canonical_maps
              カノニカルマップテーブルのリスト。

       recipient_canonical_maps
              エンベロープとヘッダの受信者アドレス用のア ド レ ス
              マッピング検索テーブル。

       sender_canonical_maps
              エ ン ベ ロープとヘッダの送信者アドレス用のアドレス
              マッピング検索テーブル。

       他の関連したパラメータ:

       inet_interfaces
              このシステムが受け取るべきメールが入るネットワー ク
              インターフェースのアドレス。

       masquerade_domains
              サブドメイン構造を隠すドメインのリスト。

       masquerade_exceptions
              アドレスマスカレードを行なわないユーザ名のリスト。

       mydestination
              こ のメールシステムがローカルだとみなすドメインのリ
              スト。

       myorigin
              ローカルで送信されたメールに追加されるドメイン。

       owner_request_special
              owner-xxxxxx-request アドレスを特別扱いする。

関連項目
       cleanup(8) メールのカノニカル化およびキュー発効
       postmap(1) マッピングテーブルの作成
       virtual(5) バーチャルドメインマッピング

ライセンス
       安全なメーラライセンス (The Secure Mailer license) はこ の
       ソフトウェアと一緒に配布されなければいけません。

作者
       Wietse Venema
       IBM T.J. Watson Research
       P.O. Box 704
       Yorktown Heights, NY 10598, USA