POSTMAP(1)                                                          POSTMAP(1)
名前
       postmap - Postfix 検索テーブル管理
書式
       postmap [-Nfinoprvw] [-c config_dir] [-d key] [-q key]
               [file_type:]file_name ...
解説
       postmap(1) コマンドは1つもしくはそれ以上の Postfix 検索テーブルを作成し
       たり問い合わせたり、存在するものを更新します。入力や出力ファイル形式 は
       次のものと互換の形式が求められます:
           makemap file_type file_name < file_name
       結 果のファイルが存在しなければ、元となるファイルと同じグループと other
       の read パーミションで作られます。
       テーブルの更新中は、シグナル配送は遅延され、検索に来たプログラムを驚 か
       せないために、排他的 Advisory ロックがテーブル全体にかけられます。
入力ファイルの書式
       検索テーブルの入力ファイルの書式は次の通りです:
       o      テーブルのエントリは次の形式です。
                   key whitespace value
       o      空 行および空白だけの行は無視され、最初の非空白文字が `#' の行も
              同様です。
       o      論理行は非空白文字で始まる行です。空白で始まる行は論理行を継続し
              ます。
       key と value は周りの空白が取り除かれることを除いて、そのまま処理されま
       す。Postfix のエイリアスデータベースと異なって、 `#' や空白のような特殊
       文 字 を含む検索キーを保護するためには引用符を使うことができません。
       デ フォルトでは大文字・小文字の区別をせずに検索するために、検索キーは小
       文字にマッピングされています; Postfix 2.3では btree: や dbm:、hash:  の
       よ うに検索キーの文字種が固定された文字列となるテーブルでのみ、小文字へ
       のたたみ込みがおこなわれます。それより前のバージョンで は、regexp:   や
       pcre:  のように検索フィールドが大文字・小文字両方の文字列にマッチできる
       テーブルであっても、検索キーのたたみ込みがおこな わ れ ま す。 そ の た
       め、$number 置換で情報が失われてしまいます。
コマンドライン引数
       -c config_dir
              デフォルトの設定ディレクトリの代わりに、指定されたディレクトリの
              main.cf 設定ファイルを読みます。
       -d key 指定されたマップから key を検索し、マップ毎に一つのエントリを 削
              除 します。要求された情報が見つかると、終了ステータスは 0 になり
              ます。
              - のキーの値が指定されると、プログラムは標準入力ストリームから値
              を読みます。少なくとも一つの要求されたキーが見つかると、終了ステ
              ータスは 0 になります。
       -f     テーブルの作成時や検索時に検索キーを小文字にしません。
       -i     増加モード。標準入力からエントリを読み込み、存在するデータベース
              は削除しません。デフォルトでは、postmap(1) は file_name のエント
              リから新しいデータベースを構築します。
       -N     検索キーや値の終わりのヌル文字を含みます。 デ フォ ル ト で は、
              postmap(1)  はホストのオペレーティングシステムのデフォルトと同じ
              ようにします。
       -n     検索キーや値の終わりのヌル文字を含みません。デフォ ル ト で は、
              postmap(1)  はホストのオペレーティングシステムのデフォルトと同じ
              ようにします。
       -o     non-root な入力ファイルを処理する際に、root 権限で処理します。デ
              フォ ルトでは、postmap(1) はルート権限を落とし、代わりに元となる
              ファイルの所有者として実行します。
       -p     新しいファイルを作る際に、入力ファイルからファイルのアクセス権限
              を継承しません。かわりに新しいファイルをデフォルトのアクセス権限
              (モード 0644) で作成します。
       -q key 指定されたマップから key を検索し、最初に見つかった値を標準出 力
              に 書 き出します。要求された情報が見つかると、終了ステータスは 0
              になります。
              キーの値として - が指定されると、プログラムは標準入力ストリー ム
              か ら値を読み込み、見つかったキーそれぞれに対して key: value を1
              行ずつ書き出します。少なくとも一つの要求されたキーが見つかると、
              終了ステータスは 0 になります。
       -r     テーブルの更新時に、存在するエントリを更新しようとしても何も言わ
              ず、それを更新してしまいます。
       -s     データベースのエントリをすべて取り出し、それぞれの 要 素 の  key
              value  出力を1行ずつ書き出します。要素はデータベース順に書き出さ
              れ、必ずしも入力順と同じにはなりません。この機能はPostfix 2.2 以
              降で使えますが、すべてのデータベースで使えるわけではありません。
       -v     デバッグ目的で冗長モードを使用します。複数の -v オプションを指定
              すると、ソフトウェアの冗長度が増します。
       -w     テーブルの更新時に、存在するエントリを更新しようとしても何も言わ
              ず、その試行を無視します。
       引数:
       file_type
              データベースの種類。サポートされている種類を知るには 、"postconf
              -m" コマンドを使ってください。
              postmap(1)  コマンドはサポートされているどのファイル形式でも問い
              合わせることができますが、以下のファイル形式しか作成することがで
              きません:
              btree   出力は file_name.db という名前の btreeファイルです。これ
                     は db データベースをサポートしているシステムで使えます。
              cdb    出力は file_name.cdb という名前の1つのファイルです。こ れ
                     は cdb データベースをサポートしているシステムで使えます。
              dbm    出力は file_name.pag と file_name.dir という名前の 2つ の
                     ファイルから構成されます。これは dbm データベースをサポー
                     トしているシステムで使えます。
              hash   出力は file_name.db という名前のハッシュファイルです。 こ
                     れ は  db  データベースをサポートしているシステムで使えま
                     す。
              sdbm   出力は file_name.pag と file_name.dir という名前の 2つ の
                     ファ イ ル から構成されます。これは sdbm データベースをサ
                     ポートしているシステムで使えます。
              file_type が指定されないと、ソフトウェアは default_database_type
              設定パラメータで指定されたデータベース形式を使います。
       file_name
              データベース再構築時の検索テーブルの元となるファイルの名前。
診断
       問 題は標準エラーストリームと syslogd(8) にログとして記録されます。出力
       がなければ問題がなかったことを示します。重複エントリはスキップし、フ ラ
       グを立てて警告します。
       postmap(1)   は("postmap  -q" 検索の成功も含めて)実行に成功すると終了ス
       テータス 0 で終わり、失敗すると 0 以外の終了ステータスで終わります。
環境変数
       MAIL_CONFIG
              Postfix 設定ファイルのディレクトリ。
       MAIL_VERBOSE
              デバッグ目的の冗長ログモードを有効にします。
設定パラメータ
       以下の main.cf パラメータは特にこのプログラムに関連があります。以下の文
       章はパラメータの概要のみを提供します。例を含む詳細は postconf(5) を参照
       してください。
       berkeley_db_create_buffer_size (1677721k)
              Berkeley DB hash もしくは btree テーブルを作成するプログラムのた
              めの、テーブルごとの I/O バッファサイズ。
       berkeley_db_read_buffer_size (131072)
              Berkeley DB hash もしくは btree テーブルを読み込むプログラムのた
              めの、テーブルごとの I/O バッファサイズ。
       config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
              Postfix main.cf および master.cf 設定ファイルのデフォル ト の 場
              所。
       default_database_type ('postconf -d' の出力を参照)
              newaliases(1) や postalias(1)、postmap(1) コマンドで使う、デフォ
              ルトのデータベース形式。
       syslog_facility (mail)
              Postfix ロギングの syslog facility 名。
       syslog_name (postfix)
              例えば "smtpd" が "postfix/smtpd" となるようにするために  syslog
              レコードのプロセス名の前に付けられるメールシステムの名前。
関連項目
       postalias(1), エイリアスデータベースの作成/更新/検索
       postconf(1), サポートされたデータベースの種類。
       postconf(5), 設定パラメータ。
README ファイル
       DATABASE_README, Postfix 検索テーブルの概要
ライセンス
       The Secure Mailer license はこのソフトウェアと一緒に配布されなければ い
       けません。
作者
       Wietse Venema
       IBM T.J. Watson Research
       P.O. Box 704
       Yorktown Heights, NY 10598, USA
                                                                    POSTMAP(1)